秋へようこそ
         〜789女子高生シリーズ

         *YUN様砂幻様のところで連載されておいでの
          789女子高生設定をお借りしました。
 
 



暑さ寒さも彼岸までと言うが、
今年は特に、そうなったのが有り難くてしょうがなく。

 「……。(頷、頷)」
 「久蔵殿は特に、暑いの嫌いですものね。」

この夏は特に途轍もない酷暑だったものだから。
どこに行っても 陽のあるうちは、
どこか どよんと力ない顔をしていた紅ばら様であり、

 「ただただ苦行だったような気がすると?」
 「………。(頷、頷)」

もーりんが神様仏様に走ってたものだから、(大笑)
あんまり覗けなかったお嬢様たちの夏休みだったが。
高校総体や、バレエの公演、
工業系学生の祭典“ロボ○ン”などなどという
毎年恒例の行事催しのほか、
海に高原にとリゾート地へのお出掛けもしの、
賑わいもひとしおな花火大会も観に行きのと、
相変わらずのお元気を発揮して、
バカンスを溌剌と楽しんでおいでだったけれど。
ただ、陽のある間の暑さは半端じゃあなかったため、
そういうことも前世から持ち越したか、
金髪色白な三木さんチのお嬢様には特に堪えてらしたとか。

 「〜〜〜。」
 「おお、よしよし。
  もうこれからは涼しくなるばっかりだからね。」

まだ衣替え前の半袖セーラーは白が基調。
スズカケの木陰でのランチタイムは、
一頃よりは過ごしやすくなっており。
ふにゃいと泣きつく華奢なお友達の甘えっこも、
ほわりと温かいのが、懐ろへ掻い込むのに心地いいほどで。

 「まあまあ、
  紅ばら様でさえ白百合様には甘えてしまわれるのですね。」
 「だって本当に慈母のような方ですものvv」

距離的、関係的に、
遠目から見る人にはそうとしか見えないことだろが、

 「久蔵殿、
  泣き真似にかこつけて、
  シチさんにひたっているでしょう。」

お行儀は悪かったけれどそれもまたご愛嬌で、
大きめのおむすびのお供にとついていた、
ソーセージとウズラとキュウリの変則トリオを通されてた
串揚げ風の串もので指差しつつ、
ひなげしさんが指摘をすれば、

 「……………。////////」
 「あらまあ、正直なvv」

ばれたかという当惑から
うにむにとほころぶお顔を隠したいものか。
ますますとそのお胸へもぐり込まんとする始末の
金髪白皙のお嬢様だったけれど。

 “勘兵衛殿より、
  こればっかは優位に立ってますよね、久蔵殿。”

あの壮年殿がこれをやったら犯罪だし、
第一、
日ごろ口先でこそ進展したがっている七郎次が、
まずは恥ずかしがって、そう簡単にはやらせるまい。
よほどのシチュエーションと、
それから条件が揃わねば、おいそれとは出来ぬことだから。
だからこそ萌えなのであり、夢を見ちゃうというもので。

 「ほらほらそこの、ユリでバラのバカップル、
  とっとと食べないと午後の授業に遅れますよ?」

指さすのに使った串をあぐりと平らげ、
平八が急かさせたのへ、
ああそうだったと自分たちのお弁当と向き合った
七郎次と久蔵だったけれど、

 「ヘイさん、
  その、ユリとかバラってのは、アタシらへのあだ名のことですよね?」

何ですよ、いきなり。

 「いえね、佐伯さんに、
  ときどきヘイさんにこれを言われるって言ったらば、
  買ったばかりのスタバを全噴射させた威力だったもので。」

 「………っ。(凄っ)」

素直に驚嘆している久蔵のお隣で、
平八が苦しそうに胸元を叩いていたのは、
決して 咬み足りなかったキュウリが
閊えたからってだけじゃないと思う人、手を上げて。





     〜おそまつ〜  13.09.24.


  *本文中にもありますが、
   この夏は神と仏に走ってたもーりんです。(大笑)
   こっちの更新がついつい遅れててすいません。
   皆様はお元気で過ごされましたかと、彼岸が過ぎてから聞かれてもねぇ。

ご感想はこちらへvv めーるふぉーむvv

メルフォへのレスもこちらにvv


戻る